はじめに
「会社の住所が変わったけれど、建設業許可の手続きは必要ですか?」
「代表者が交代しましたが、変更届を提出しなければいけませんか?」
「役員が亡くなった場合も届出は必要でしょうか?」
「決算変更届以外にも提出しなければならない書類はありますか?」
尼崎市で建設業許可のご相談を受けていると、このようなご質問を数多くいただきます。
建設業許可は、一度取得すれば終わりではありません。
会社や営業所の状況に変更があった場合には、建設業法に基づき、決められた期間内に変更届を提出しなければなりません。
「法務局で登記を変更したから終わり」「税理士が手続きしたから大丈夫」と思われる方も少なくありませんが、法務局の登記と建設業許可の変更届は別の手続きです。
変更届を提出しないまま放置すると、更新申請や業種追加、経営事項審査(経審)で手続きが進まなくなったり、行政指導や許可取消しにつながる可能性もあります。
この記事では、建設業許可の変更届について、提出が必要なケース、提出期限、必要書類、注意点まで、建設業専門の行政書士が詳しく解説します。
建設業許可の変更届とは?
建設業許可の変更届とは、建設業許可申請時に届け出た内容に変更が生じた場合に、許可行政庁へ届け出る手続きです。
建設業法では、許可を受けた後も会社の情報を正確に管理するため、一定の変更事項について届出を義務付けています。
変更届は会社の信用を維持するためにも重要な手続きであり、提出を怠ると、更新申請や各種申請時に大きな支障が生じることがあります。
なぜ変更届が必要なのか
① 許可要件を満たしているか確認するため
建設業許可は、
- 経営業務管理体制
- 営業所技術者等(専任技術者)
- 財産的基礎
- 誠実性
などの要件を満たしていることが前提となっています。
例えば営業所技術者等が退職したにもかかわらず届出をしなければ、許可要件を満たしていない状態になる可能性があります。
② 行政が正しい情報を管理するため
会社名や住所、代表者などが変更された場合、行政もその情報を更新する必要があります。
変更届は行政が最新の情報を把握するために必要な制度です。
③ 更新や経審で困らないため
更新申請や業種追加、般・特新規、経営事項審査(経審)の際には、変更届がすべて提出されていることが前提となります。
提出漏れがあると、まず過去の変更届を提出するよう求められるケースも珍しくありません。
提出が必要な主なケース
① 商号(会社名)が変わった
会社名を変更した場合は変更届が必要です。
法人の登記変更後、建設業許可の変更届を提出します。
② 本店所在地が変わった
事務所を移転した場合も届出が必要です。
例えば、
尼崎市東難波町→尼崎市南塚口町へ移転した場合には、本店所在地変更の届出を行います。
③ 代表取締役が変更した
代表者の交代も変更届が必要です。
代表者が変わると、添付書類も多くなるため、早めに準備を進めましょう。
④ 役員が就任・退任・重任した
取締役や監査役が就任、退任、重任した場合も変更届が必要です。
役員が一人増えただけでも届出が必要となります。
⑤ 役員が亡くなった
意外と見落とされやすいのが、役員が亡くなった場合です。
役員(取締役・監査役など)は、死亡により当然に退任となるため、建設業許可の変更届を提出しなければなりません。
まず法務局で役員変更登記を行い、その後、建設業許可の変更届を提出します。
特に代表取締役が亡くなった場合には、
- 新しい代表取締役の選任
- 役員変更登記
- 建設業許可の変更届
- 経営業務管理体制の確認
- 営業所技術者等(専任技術者)の配置確認
など、複数の手続きが必要になります。
また、取締役が1名のみの会社では、代表者不在の状態となるため、速やかに新たな役員を選任する必要があります。
「相続手続きだけすればよい」と考えられる方もいらっしゃいますが、会社としての変更手続きも忘れてはいけません。
⑥ 営業所を新設した
営業所を追加した場合も届出が必要です。
例えば、
本店のみ→西宮営業所を新設というケースです。
営業所技術者等の配置も確認しましょう。
⑦ 営業所を廃止した
営業所を閉鎖した場合も変更届を提出します。
⑧ 営業所技術者等(専任技術者)が変更した
営業所技術者等が退職、異動、資格取得、交代した場合も変更届が必要です。
建設業許可の要件に直接関係するため、最も重要な変更事項の一つです。
⑨ 営業所技術者等が新たな資格を取得した
例えば、二級施工管理技士→一級施工管理技士となった場合など、資格の変更に伴い届出が必要になる場合があります。
⑩ 営業所の名称が変わった
営業所名を変更した場合も届出対象となります。
⑪ 資本金が変更した
増資・減資により資本金が変更した場合も届出が必要です。
⑫ 支配人を選任・変更した
支配人を置いている会社では、支配人の変更も届出対象です。
⑬ 個人事業主の氏名変更
個人事業主が結婚などにより氏名を変更した場合も届出が必要です。
⑭ 毎年の決算変更届(事業年度終了届)
建設業許可を取得している会社・個人事業主は、毎事業年度終了後4か月以内に必ず提出しなければなりません。更新申請の際にも必ず確認されます。
提出期限
変更内容によって提出期限は異なります。
代表的には
- 30日以内
- 2週間以内
- 毎年4か月以内(決算変更届)
などです。
期限を過ぎても受理されることはありますが、遅延理由書を求められる場合があります。
できるだけ期限内に提出しましょう。
必要書類
変更内容によって異なりますが、
主なものは
変更届出書、登記事項証明書、株主名簿、誓約書、身分証明書、登録されていないことの証明書、資格証、実務経験証明書、戸籍関係書類(死亡や氏名変更の場合など)となります。
変更届を提出しないとどうなる?
変更届を提出しないまま放置すると、さまざまな不利益が生じます。
更新申請がスムーズに進まない
更新申請時に、未提出の変更届をまとめて提出するよう求められることがあります。
業種追加ができない場合がある
業種追加申請では、過去の変更届が提出されていることが前提となります。
経営事項審査(経審)に影響する
公共工事を目指す会社では、経審の際にも変更届の提出状況が確認されます。
入札参加資格申請にも影響
会社情報が最新でない場合、入札参加資格申請に支障が出ることがあります。
行政指導・許可取消しの可能性
悪質な場合には行政指導や許可取消しの対象となることもあります。
よくある質問
Q. 法務局で登記変更したら終わりですか?
いいえ。
法務局への登記と建設業許可の変更届は別の手続きです。
Q. 税理士や司法書士が手続きしているので届出は不要ですか?
不要にはなりません。
建設業許可の変更届は別途必要です。
Q. 役員が亡くなった場合も届出が必要ですか?
はい。
死亡による退任も役員変更に該当するため、変更届が必要です。
Q. 役員が1人増えただけでも届出は必要ですか?
必要です。
就任・退任・重任はいずれも届出対象です。
行政書士へ依頼するメリット
変更届は簡単そうに見えますが、
- 変更内容ごとに必要書類が異なる
- 添付書類が多い
- 提出期限が異なる
- 許可要件の確認が必要
など、専門知識が求められる手続きです。
また、一つの変更だと思っていても、複数の届出が必要になるケースもあります。
建設業専門の行政書士へ依頼することで、
- 必要書類の確認
- 添付書類の収集
- 書類作成
- 行政庁への提出
- 更新や経審を見据えたアドバイス
まで一括してサポートを受けることができます。
まとめ
建設業許可の変更届は、会社や営業所に変更が生じた際に必要となる重要な手続きです。
特に次のような場合は忘れずに届出を行いましょう。
- 商号変更
- 本店移転
- 代表者変更
- 役員の就任・退任・重任
- 役員の死亡
- 営業所の新設・廃止
- 営業所技術者等の変更
- 資本金変更
- 毎年の決算変更届
「これくらいの変更なら届出は不要だろう」と自己判断すると、更新申請や業種追加、経営事項審査(経審)、入札参加資格申請などで思わぬ支障が生じることがあります。
スイートピー行政書士事務所では、尼崎市を中心に兵庫県全域の建設業許可に関する変更届、決算変更届、更新申請、業種追加、経営事項審査(経審)、入札参加資格申請までサポートしております。
「変更届が必要か分からない」「期限が過ぎてしまった」「何年も届出をしていない」という場合でも、お気軽にご相談ください。建設業専門の行政書士が状況を確認し、適切な手続きをサポートいたします。
